東尋坊

奥越 平泉寺に大力の悪僧がいた。
名を東尋坊といった。

民に暴虐の限りをつくす稀代の悪僧ぶりは目にあまるものであった。

東尋坊は近在の美しい姫に心を奪われていた。
同じ平泉寺の僧 真柄覚念もまた姫に想いを寄せていた。

二人はいがみあい憎みあった。

ある時真柄覚念は三国の海辺の岩上で酒宴を催した。
東尋坊はしたたか酔った。

東尋坊がよろめいたところを真柄覚念はすきをついて岸壁の下へ突き落とした。
時は寿永元年四月五日。

一天にわかにかきくもり大雨が降り、雷が落ちた。
嵐は四十九日間続いた。

毎年四月五日、東尋坊の怨霊が雲に乗って、平泉寺に向かうという。

この日は必ず風荒く、怨みの波は岸壁に打ち寄せてはかえす。

いつしかこの岸壁は東尋坊とよばれることとなった。

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私は旅行が好きです。
特に、高いところから見る海の景色や、広がる山並み、地平線なんて
そんな情景は、きっと私だけでなく、誰もが美しいと思うでしょう。

もう5年も前になるでしょうか。
友達と福井県にある東尋坊に行きました。

ここがいわゆる「自殺の名所」であることは知っていました。
やはり人生の終わりは、美しい場所で終えたいのが人の心情というもの。
「切り立った断崖」日本海を見たくて、自殺の名所うんぬんではなく、壮観な景色を眺めにいきました。

上野から「急行 能登」に乗り、朝の9時くらいに三国に着きました。
終点でバスを降りると、近くの店からおばさんが出てきて、「お姉ちゃんたち、これから東尋坊を見に行くなら、荷物ここで預かるよ」と親切に言ってくれました。
その夜は宿を取る予定で、荷物もそれなりにあったので、番号札と交換で、ありがたく荷物を預けました。

2月だったので、特に寒かった!
海の方向へ道なりに歩いていくと、崖らしきところが見えてきました。
看板もあり、観光地だったので、写真撮影ができるような台も設置してあったのですが・・・
なんと、崖に柵がない!
崖そのものが天然記念物であるらしく、柵が設置できないのだそうです。
ほんと、崖ギリギリまで行けるし(怖いので這って・・・(;´Д`))
崖下を覗くと、10メートルくらい下を、ザバーンと日本海の波が打ち寄せて・・・

す、素晴らしい!!!

素晴らしいよ!!この壮観な眺め!!
この迫力(*´д`*)ハァハァ
5年たつけど、私の中では崖ランキング、ダントツのTOPです!
うん、あそこなら死んでもいい。
飛び降りるならやっぱここだなとそのとき心に決めました。(!)

しばらくボーーー (*'ρ'*)と友達と海を眺めていたんだけれど
じっとしていると寒いので、いろいろと周りを歩きました。

すると、電話BOXが。
( ‥) ン?
電話BOXに張ってある張り紙。
「命の電話○○○ー○○○○」

道沿いにあった柱・・・
「父は泣く母は泣く」

あ、あれ、なんかあそこに看板が見えるぞ?
(-_ゞ) ゴシゴシ
「飛び降り禁止!守れ!美しい景観!」

ド━(゚Д゚)━ ン !!!
ド━(゚Д゚)━ ン !!!

「気のせいかな?なんかあそこに靴が片方だけ落ちてるんだけど・・・」
「いや、もしアレだったら、両方そろえておいてあるでしょ!」

二人で岩に座ってだべっていると、通りすがりの人が。
「海に落ちないようにねぇw」と声をかけていく。
し、親切・・・だけど、なんか変な感覚(;´Д`)

そして3時間くらいうろうろしたあと(長い?)、お昼を食べにお土産街へ。
おしるこをすすっていると、お店の人に尋ねられました。

「お姉ちゃんたち、荷物を預けなかった?」
「はい、預けましたけど・・・」
「ん、番号札持ってる!?いたいた!見つけたよ!○○○さーん!」

と誰かを呼びにいくお店の方。

どうやら・・・

あまりにも戻りが遅いので、飛び降りたと思われて、駐在所の人呼ばれてたようです(;´Д`)
うーん・・・・遅かったかな・・・

どこをどう間違ったのか
「うつろな目をした女の人が荷物を預けて、一人で崖の方へ歩いていった!」
という情報が流れていたみたいです!!

私たちが来る前に、三日連続で人が飛んだ(崖から飛び降りることを、そこの人たちは「飛ぶ」というらしい)ので、町の人たちもピリピリしていたらしい。前日はちょうど、老夫婦が二人で飛んだらしい・・・
自殺者に間違えられたのがきっかけで、「そんなに自殺する人多いんですか?」とちょっと話を聞いてみました。
が・・・・・・まじで多いらしいです。
ただの噂だけではなかった。

地元の人たちが言うには、自分で飛ぶ人もいれば、間違えて吸い込まれていく人もいるのだと。
「あの崖には魔物が棲んでいる」と言っていました。
特に、女の人が一人できた場合は、10人中9人は実際に飛ぶかどうかは別として、それが目的で来てる場合が多いと。
でも、その人の目を見れば、そうなのかそうでないのかわかるのだそうです。
危険そうな人は、町の人たちが声をかけて止めるのだと。
「目を見たら、お姉ちゃんたちは全然そんな感じじゃないw」と言ってました。

素晴らしい景色なんだけどね。
その素晴らしい景色も、やっぱり魔物が棲んでいるからそんな風に見えるのもあるのかしら。
危機迫るものがありました。
お昼食べたあと、やっぱりウロウロしながら2、3時間いたのは秘密(´ー`*)
だってすごい感動だったんだもの~~
たぶん、町の人から見たらはた迷惑だったんだろうなあ・・・
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Commented by mekko04 at 2006-06-14 02:45
自殺の名所?・・・・ドヨォォ─(lll-ω-)─ォォン…
命の電話!?
乳にも落ちえて(ハァト)
Commented by クラ at 2006-06-14 16:56 x
厳冬の2月に 岸壁に 3時間も 居たなんて そりゃ、すごぃですよ@@

東尋坊 家族旅行や慰安旅行とかで、3~4回いったけど、私は、高所恐怖症だからか なんとなく重い空気が漂うからか、最近は、旅行コースに入ってても、私は、岸壁に行かずに、 喫茶店にいる。 あそこは 嫌いです;。

高校生の頃、親戚や家族と、東尋坊で遊覧船に、乗ってたら、岸壁で、ちょうど、地元警察の人や、レスキュー隊が、命綱をつけて、岸壁↓に、ひっかかった、自殺者の遺体の収容作業中だったよ;;。
ひっかかった遺体を、収容してる人が 落ちないか; 見てハラハラ・・・
他府県からの、体の不法投棄なんて、地元の人迷惑千万でしょうね><

昼食後も 宿も決めずに ウロウロしてた ちゃみさんて、∑感動の仕方が、たくましい! 
Commented by yuki-chami at 2006-06-15 21:46
>乳ちゃ
まだ早いです!w

>クラちゃん
そっか~まさに現場だったんだねぇ・・・
地元の人はほんとに大変だろうね。
けど、やっぱりあの景色はすばらしいのだよ!
海は、太平洋より日本海のほうが好きだなあ。
Commented by ひばり at 2006-06-16 00:59 x
こええええよお~~
昔読んだ怖い話を思い出しちゃった。。。
あんまり怖いから今度メールで送ってあげるね!
Commented by yuki-chami at 2006-06-19 07:05
昔読んだ怖い話!ドキドキドキドキドキドキ
怖いから送らないで(´Д⊂グスンなんて言いません!
そういえば昔UOのダンジョン内で蝋燭ともして、きもだめしやった記憶があるなあw
by yuki-chami | 2006-06-13 19:31 | にちじょう | Comments(5)

しばし滞り中


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