七夕

はじめて抱き寄せられて、女の存在がふはりと浮いて、
なにもかも、男のなかに崩れ込むあの瞬間。

五年、十年、三十年たっても、あの瞬間はいつも色あげしたやうで、
あとのであひの退屈な繰り返しを、償つてまだあまりがある。

あの瞬間だけのために、男たちは、なんべんでも恋をする。
あの瞬間だけのために、わざわざこの世に生れ、めしを食ひ、生きてきたかのやうに。

男の舌が女の唇を割ったそのあとで、女のはうから、おづおづと、
男の口に舌をさし入れてくるあの瞬間のおもひのために。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「愛情　５５」　金子　光晴


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さっき美容室でなにげなく雑誌を眺めてたときに見つけてしまった。
初めの頃の気持ちを思い起こさせるエロイ詩だなと思いました。


今日もあと少しで終わりますが、七夕でしたね。
曇っていたのであいにく天の川を見ることはできませんでした。

七夕っていうと、小さい頃に短冊を飾ったこともありますが
なぜか一番に思い出すのはＵＯで見た天の川。
七夕の時期だけ、限定期間として天の川のＭＡＰ（というか洞穴？）が出てたのを覚えています。
決定的に仲良くなったのはその頃だったような。
本物の天の川は見たことはないけれど、そのＭＡＰの天の川も綺麗なものでした。


とか思い起こしつつも、今日はお昼休みにラーメンを食べにいったくらいでなんともむなしい日。
美容室の人と七夕について話をしていたんだけど
「七夕を楽しんだりっていうのは小さい頃とか小学生くらいまでじゃないですか？」
って言ってたのですよ。

そうかなあ・・・
できればこんな日にこそ、神社にいってお参りをしたい。
笹の葉に短冊を飾りたいって思う。
それは歳をとっても変わらない気がする。

ゆかたを着て
星を見て、ほたるを探して、花火をして
そんな夏を過ごすときがきたらいいな。